私の住んでいるところは、平たく言ってしまえば山を切り開いた場所。
自然もそこそこ多くあって、自宅マンションの前にはドラックストアも入ってるスーパーに、オプションのような感じでマックも入ってたりして。
それに加えて美容室、塾、歯医者もそのスーパーに入っているためかなり便利だ。
コンビニも多くあり、
マンションの敷地内には内科のくせにやたらと外科にも詳しい先生が勤める病院もあるし、
生活していく上では困ることなんてないだろう。
野球ができるような空き地もある。それも元は小学校が立つ予定だった場所だから結構広い。
私のマンションから西の方にはそのわずかながらも残っている自然の風景。
北をみればその風景もなくなる街中への視界が広がっていた。
去年の10月、あの人と会って、この部屋でこのパソコンを通じて話した。
今見ているものとなんら変わらない。
変わったのは気持ちだけだろう。それと私を取り巻くほんの少しの環境。
右を見れば自然が残る西側で、夜に瞬く星を見つめたっけ。
学校から帰って、日が沈み始める夕方の雲が好きだった。この季節、この部屋から見える、私の住むこの町から見える景色はとても綺麗で。
澄んだ空気が切なさを運んだけれど、それはそれで居心地がよかった。
特にこのマンションの最上階に近いところにいるから余計に綺麗に見えるのかもしれない。
続く道が。
道を吸い込む山が。
町を照らす街灯が。
もう戻れないあの日を見つめて、今を生きる。
正直言って私はまだあなたの幸せを心から願えてない。
自分のことで手一杯だよ。
あなたの事までしっかり見つめる余裕がないよ。
私が思う「人を好きになる」っていうことは、相手の幸せを心から願えることだと思う。
自分の事よりもその人が幸せならそれでいいって思えることだと思う。
あなたもそう言ってくれたよね。
正しい答えなんてないし、勝手な私達の考えだけど。
あなたはその気持ちを私にくれた。でも私はまだあなたにあげてない。
こんな彼女でゴメンね。
甘えすぎてるよね。
でもきっといつかあなたにその気持ちを渡すから、それまでもう少し、もう少しだけ待っててほしい。
今の気持ち全部背負っていくのにはまだ少し時間がかかるの。
あなたはきっと一杯苦しい気持ちを背負って、それなのにゆっくりでいいって言ってくれたよね。
全部背負ってあなたのところまで行くのには時間がかかるけど、そんな私でもいいなら待ってて下さい。
これが今の私の精一杯の答えです。
もし君に何か考えができたら、そのときはまた相談するよ。
今は気持ちだけ受け取っておきます。
昨日、本屋に行ったときのこと。
特に何か用事があったわけでもなく、ただ本屋をふらーっとしに行った。
朝から体調が悪く、眩暈までしていたあたしだけど、そんな状態でも本屋に足を運びたかった。
大好きな友達。
会ったこともないし、声だって聞いたこともない人だけど、メールで話した限りではとってもいい人。
優しくて、楽しくて。
そんな彼と近くにいれる気持ちになれるのが、本屋だった。
彼も特に用事があるわけでもないのに、本屋に足を運ぶと聞いていたせいだと思うけど。
適当に店内を歩いて、新刊やらその店のおススメやらを手にとって軽く読んでみた。
『「読みたい」と思った本は、本が「呼んでる」』
以前誰かが言ってた。
この言葉を知って以来、軽く中身を読んでみて気に入った本は手当たり次第買うようになった。
ぼーっと歩いて、適当に目についた本を手にとって。
でもこの日は、あんまり気に入った本がなかった・・・と言うか、一冊も気に入った本に巡り合えなかった。
普段なら、2、3冊買っちゃうんだけどなー。
まぁ、毎回毎回買いまくってたら散財もいいとこ。
こういう日があるほうが普通なのか。
新刊のコーナーを後にし、ぐるっと店内を見回した。
蛍光灯が目に悪いくらいにまぶしく光ってる。
太った店員に、男性向けの雑誌を真剣に目で追うおっさん。
マンガコーナーに走っていく子供。
どれも目障りだった。
バスの時間までまだちょっとあるから、参考書でも見ていこうかな?
掲示してあるコーナー名を追い、高校生の参考書があるところまで歩を進めた。
進めた先には・・・
「ねぇ、これはー?」
「はぁ?これ分厚すぎだろw」
私の親友が行っている学校の制服を着ている、学生2名がそこに突っ立っていた。
男子と女子。カップルかしら。腕なんか組んじゃってさ。
参考書を手に取るのをやめようか躊躇したが、意地になってそれをとった。
ふっと、変な感情が動いた。
色に例えると、黒?それとも青か。はたまたピンク?もしくは赤??
ドクン、大きく脈打ったのが身体に響いた。
と同時に、あたしの脳内に一人の人が浮かんだ。
大好きな友達。
・・・悔しいなぁ。
あたしも、あんな風にその人と歩いてみたかった。
こうやって一緒に本屋に来て、楽しそうに話して、その後は食事に行って。
お互い、好きな本について語ったりしてみちゃって。
でも、何より悔しいのはこの目の前にいる二人がどれほど自分たちが恵まれた立場にあるのかに気付いていないことが悔しかった。
参考書を読んでいたはずの目はいつのまにか宙を追い、つうっと涙が頬を伝った。
なんで泣いてるんだろ、私。
「・・・ねぇ、横の人泣いてない?」
女の方がいった。
やば・・・。
あたしは手にとって読んでいた分厚い参考書を元あった場所に少し乱暴に戻すと、足早にその場を後にし、店をもを後にして涙を拭った。
叶わない夢なら、みたくない。
でもあの人は私にその夢を見させる。
あたしは勝手に進む気持ちの交差に戸惑いながら、バス停に向かうのだった。
ノンフィクション。
こんなわけわかんない人間でも、そこそこ辛い思いをしています―(笑)
―透明―
辛いとき、苦しいとき、悲しいとき、寂しいとき。
そんな時にあたしが傍にいてほしいのは、好きな人。
でもそんな時、その人は傍にいてはくれない。
だから余計に辛くなる。
だから余計にもがき苦しむ。
辛くって、苦しくって、悲しくって、寂しくって。
どうしようもならないときに宙に放った手を掴んでくれる人なんていないと思ってた。
でも、彼はしっかりと掴んでくれた。
恋心はない。でも好き。
愛おしくってたまらない。
あたしだけのものでいて欲しい。
他の子なんかに、渡したくない。
傍にいて欲しい。強く強く抱きしめてほしい。
あたしにはその手は見えない。
見たことがなければ触れたこともない。
想像じゃ、大きくて、安心できる手。
あったかくて、離したくなくなる手。
今日も寂しさですすり泣くあたしの身体を、彼は遠くから抱きしめてくれるのかしら?
触れたこともないこの身体を。
今日もあたしは、透明な彼の手を追い求める。
愛しくてたまらない友人への気持ち。
言葉にできないくらい、心から愛してます―。
あたしは知らない。
彼がどんな風に笑うのか。
彼がどんな風に泣くのか。
彼がどんな風に怒るのか。
あたしがどんなに知りたくても知れないことを、どこかの顔も知らない勝負相手は知っている。
彼が笑うところも。
彼が泣くところも。
彼が怒るところも。
その勝負相手は、彼が自分にしか見せない顔も知ってる。
こんなに辛い思いをするなら、彼を知らないままでいたかった。
あたしは今日も送ることのできないメールを打っては消していく。
醜い心が見えないように構築された文面が消されていくのと同時に、
あたしの心には余計に募る醜い気持ちがたまるだけ。
そんなあたしを、あたしが知らない。